MUSUPERUHEIMU

MUSUPERUHEIMU

第43話

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外套の男の剣気が俺の全身を貫く

 (…来る…)

 『…モーンブレイド…』

音声入力で俺の左手の中にもう一対の二又の大剣が姿を現す

・・・ギィン!

踏み込んできた男の斬撃を大剣で防ぎ

・・・キンッ!ギィン!キンッ!ギイン!キキキキィン!!

高速で連続する斬撃を2本の大剣で弾くが・・・

・・・ズンッ・・・!!

 『…グッ…』

一瞬の隙を…いやこれこそが本命だったのかもしれない…
2本の大剣を掻い潜り男の刀は俺の左肩を突き貫いていた

・・・ガシャンッ・・・!!

・・・バチ・・・バチバチバチ・・・

左腕への伝達神経回路を絶たれ左手の大剣が床に転がる

・・・ザッ・・・

刀を引き抜いた男はそのまま俺の懐に踏み込んできた

 『…何…?』

剣を知らぬ俺ですらこの男が非凡な剣術使いだと理解出来る
だが刀を突く事も薙ぐ事も出来ぬこの間合にして一体何を…?

・・・カッ・・・!

俺がそう思った瞬間突然俺の視界は閃光に包まれ

・・・・・・!!!・・・・・・・

閃光の中で無数の光が俺を中を斬り裂いた

・・・バシュゥゥン・・・!!

次の瞬間消えた閃光の変わりに俺の視界に飛び込んできたのは
真紅の世界と金属の床だった

 『…この視界の色はURGENCYモードか…』

俺は指1つ動かせず地面に横たわっていた
唯一若干動かせる視界を男に向ける

 「………」

男は外套の隙間から静かな瞳で俺を見下ろしていた
だが突然、男はその瞳を別の方向に向け

 「…シャロン…!」

静かに…だが確かに焦燥を混め呟いた
…そしてそのまま…

・・・シュンッ・・・!!

外套の男は俺の視界から姿を消した

 『ホッホッホッ・・・一方的で焦ったが結局は
  ワシの漁夫の利と言ったとこかのう?』

機械ごしの聞き覚えのある声が聞こえたと思うと

・・・シュィーン・・・

ステルスを解きカスタムタイプのシノワスピゲルが姿を現した

 『…その声…Drエッグマンだったか…?』

 『ほほう口だけはまだ効けるか
  K地区の研究施設以来だったか?久しぶりじゃなアンドロイド』

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・・・キンッ・・・!

ソウルバニッシュの一撃がシノワレーテ寸断する

・・・シュゥゥゥ・・・

斬り裂かれた途端、シノワレーテの身体は
人工的な光の屑となって崩れだした

・・・ボンッ・・・!!

・・・キィィィィィン・・・!!


出現した2体の巨大な生物の口から炎弾と氷のブレスが放たれた

 『………』

キリークは無言でそれらをかわし

 『スクハヴァティ!!』

・・・バシュゥン・・・!!


キリークを中心にソウルバニッシュから生じた
斬撃の衝撃波が周囲に放たれた

 『グォォォ・・・!?』

 『ゴァァァ・・・!?』


2体の生物は断末魔をあげシノワレーテ同様に崩れていったが

 『レジスト』

無機質な合成音の声と共に漆黒のアンドロイドの
周囲が歪み衝撃波をすり抜けた

 『そのくだらん手品のカラクリは解らんが…
  どうやら紛い物の手下は見捨てたようだな…?』

 「………」

・・・ブゥォン・・・

沈黙を守る漆黒のアンドロイドは
手の中に赤い光刃の両剣を出現させた

 『ハッ!面白い小細工無しに自らやる気になったか!?』

・・・ヴォン・・・!!

ソウルバニッシュとスタッグカットラリのフォトンが弾き合う

・・・ヴォン!ヴォン!ヴォン!ヴォォン!ヴォン!ヴォン!!

紫と真紅の軌跡が華麗に交錯する

・・・ヴォン・・・!

漆黒のアンドロイドがキリークのソウルバニッシュを
上体を逸らし仰け反るよう避けると

・・・ゴッ・・・!!

 『…クッ…!?』

そのまま両足が跳ね上がりサマーソルトキックがキリークに炸裂する
キリークはそれをからくも防ぐが

 『ロックオン』

再び無機質な声が聞こえたかと思うと

 『…何ッ…!?』

キリークの身体が突然硬直した
漆黒のアンドロイドは再び数枚のカードを取りだし
今度はそれらをスタッグカットラリに通した

・・・シュィン・・・

 『テクニック』

・・・シュィン・・・

 『コンセントレーション』

・・・シュィン・・・

 『ラフォイエ』

・・・ゴォォォォォ・・・・

 『バーニングクレイドル』

スタッグカットラリに炎の螺旋が絡み付いた
そして漆黒のアンドロイドは身動きの出来ないキリークへと

・・・ドゴォォォォォォォン・・・!!!

・・・・・・・・斬り付けた


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